バリの人たちは、85%がヒンドゥー教徒。
ヒンドゥー教徒にとって牛はとても神聖な動物。
ミルクをもらうこともなければ、たべたりすることは決してありません!
・・・のはずなのに、バリのあちこちでやたらみかける牛さんたち。
実はこの子たちは、田んぼや畑を耕す重要な労働力なのです。
(わたしが見た牛さんたちはみんなかなりのんびりしていていましたが)
小さな村や町からちょっと出ると、ちょっと昔の日本のような素朴な畑や田んぼが延々とつづきます。
バリは豊富な水と安定した気候のおかげで、農業もやんわりペース。
日本でお米を育てるのは、「春に苗を植えて、秋に収穫」というのが当たり前すぎる常識ですが、
雨季と乾季の2つしかないバリでは、なんと三毛作。
しかも、「いつ植えてもいい」というざっくばらんさ。
車の窓からみえる田んぼをじっくり見てみると、
苗を植えたばかりの田んぼがあったかと思えば、
そのすぐそばに稲穂が実っているエリアがあったり、
いわれてみれば、たしかに「三毛作」の気配がします。
「3回も収穫できたら、たくさんお米がとれていいね〜」
なんて能天気に話していると、
「バリ内でつくる分だけではバリの人がたべるのに足りないので、
お米のほとんどはベトナムやタイから輸入しているんですよ」
ガイドのワヤンが教えてくれました。
バリの乾季は5月から11月まで。
降水量がすくない乾季でも稲を育てることができるのは、山からひく豊富な水のおかげ。
森の木たちがしっかり水をたくわえているから、バリの田んぼから水が不足することはありません。
たくさん土地があるようにみえても、自然の許容範囲は意外にせまく、
これをこえて農地をつくると、きっと水もたりなくなるんでしょうね・・・