ヴィンチェ一家のひろ〜い敷地には、ヴィンチェ夫婦の住む家とパパとママが住む家、
それから、自慢のオーガニックガーデン!
ヴィンチェたちのガーデンとヴィンチェパパのガーデンはやんわりわかれていて、よりナチュラルなのがパオラのガーデン。(あまりにナチュラルにはえているハーブたちをうっかりふんずけてしまうほど)
実は、イタリアは「オーガニック作物」発祥の地。
たとえばパオラは、おじいさんの代からオーガニック菜園の文化をとても自然にうけついでいるのです。
そんなパオラのガーデンは、観賞用の花や木はほんのすこしで、あとはイタリアンに欠かせない野菜や果物がまさにたわわ状態。
豊かな大地とサンサン降り注ぐ太陽の光と水、もともと地球上のすべてのものに与えられた資源だけで育つオーガニック野菜や果物たちは、基本的に「水をあげるだけ」でこんなに立派にそだってくれているそう。
どんで〜んと幅をきかせている大きなキャベツやレタス、料理によって使い分けているという真っ赤なトマトたち、
かなり肉厚なパプリカ、まるくコロンとしたカタチのナス、ちょっといびつだけど立派なキュウリ、何キロあるのか想像もつかないほどドでかいカボチャ、
ころころのじゃがいも、こんな風になるなんてしらなかったカリフラワー、葉っぱがふさふさしていてかわいいニンジン、ほそ〜いネギが地面からのぞいている玉ねぎ、さやが細ながく育ったえんどう豆など・・・八百屋級の品ぞろえ。
さらに、くるみ、オリーブ、アーティチョーク、ハーブなど、イタリアっぽい食材や、、レモン、いちご、さくらんぼ、キーウィなんかのフルーツまでがこのガーデンで調達可能。
「マーケットで野菜を買うことはほとんどないわ」
ヴィンチェたちのガーデンは、いつでも旬の食材をたっぷり提供してくれるから。
しかも、安全で新鮮でおいしい。
食事の準備の前には、籠とはさみをもってガーデンにでて、その日につかう野菜や果物、ハーブなんかをちょちょっと収穫します。
パオラはそのときにガーデンでとれる食材からその日のメニューを考えます。
ガーデンの野菜や果物たちの世話をしながら
「もうすぐ食べられるころね、日曜日に収穫しようかしら
その時はやっぱりあの料理がいいかな?
なんてひとりで想像をふくらませるのもとてもたのしいのよ」
と話してくれたパオラ。
ハウス栽培の年中みかける食材で季節感のない食生活をしがちなベンリさ重視の日本では、なんとなくそのときの気分で冬に海外のトロピカルなものをたべてしまうこともあるわたしには、なかなか頭にうかばない感覚です...
野菜や果物たちの成長をたのしみに見まもり、充分そだったときに、一番おいしい状態で一番おいしくたべられる料理でいただくことがパオラたちにとってはとても自然なこと。
これは世界中のセレブが大金をつかって躍起になってとりいれている「マクロビオティック」的ライフスタイルのコンセプトとそっくり。
みんなが必死にめざしているライフスタイルのはずなのに、当のヴィンチェたちは肩の力がぬけていて、ほんとにナチュラル。
ヴィンチェファミリーのゆったりしあわせなスローライフでは、食材の旬や陰陽などの性質を特別意識しなくても、同じ気候の土地でとれた旬のものをたっぷり食べるというマクロビオティック的食生活が勝手に実現できてしまっているのです。