秋の味覚、きのこ。
ヴィンチェ宅には、こんなかわいいきのこファミリーもお目見え。(食べられるのでしょうか?)
イタリアで秋のきのこといえば?
・・・の答えはもちろん「ポルチーニ!」
乾燥させたポルチーニもあるけれど、生のポルチーニは秋だけ。
そんな秋にしかたべられないポルチーニがイタリア人は大好き。
秋にはマーケットにも山積みのポルチーニ、レストランにもポルチーニのメニューがならびます。
松の木の根っこに生えるため、しいたけのように栽培できず、しかも傷みやすいので輸送もできず。
つまり、秋にイタリアにいないとたべられないきのこなのです。
ちなみにこれは、ローマのレストランでたべたポルチーニのミートボール。
もちろん、これはこれでおいしいのですが、ヴィンチェ宅でのポルチーニ料理は超スペシャルでした!
ヴィンチェのパパとママが大切そうにとりだしたリッパなポルチーニは、その日の朝にポルチーニ採りの名人が山でとってきたもの。
「マーケットなどで売られているポルチーニは、
たいてい収穫してから1日以上たっているから、生ではたべられないんだよ」
・・・ポルチーニを生で!?
ポルチーニのソースや、パスタなどはレストランでよく見るけれど、生でたべるとは初耳、です。
興味津々で見ているそばで、まずはパオラが大切そうにポルチーニを布巾でふいていきます。
ポルチーニにかぎらず、きのこは水で洗わないのが基本。
「菌糸」でカタチになっているキノコは、水分にふれると菌糸がゆるんでぶよぶよしたり、うまみが溶けて流れてしまうから。
今回のポルチーニ料理は生でたべるので、より一層、水が厳禁。
ぼよぼよぶよぶよしたへんな食感になってしまうそうです。
ということで、ほんとうに繊細な動作で、ていねいに布巾でゴミをはらって、今度はこれまたていねいにごわごわした部分をナイフでうす〜くむいていきます。
こうしてきれいになったら、ようやくうすくスライスして、パルメジャーノチーズとレモンで繊細な一品になりました。
生のポルチーニは、口に入れるとふんわりとろけて、ほんのりキノコの香りがレモンの酸味、チーズのコクとマッチして、正真正銘、はじめてたべる食感と味でした。
お金で買えない自然の恵みを、家族みんなでこんなに大切に味わうこと、それもスローライフをおくるヴィンチェファミリーだからこそだな、と思いました。